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人材派遣とは何か

人材派遣の矛盾

この時期になると進学する者、就職する者、フッと立ち止まって自分の将来を考える者‥‥、若い人にとっては選択肢が多い分、迷う事もきっと多いのではないでしょうか?
それぞれが違ったステージを目指し戸惑いながらも一歩を踏み出そうとしているのに、現実では「就職氷河期」などと言われ、会社に入る前から苦しい思いをしている人も多く、就職浪人になってしまう人も少なくないようです。 では、希望の会社に入れなかった人達は一体どうしているのでしょう。
せめてアルバイトや派遣社員をして、最低限の生活の糧を得る必要がありますが、実はこの派遣社員という制度は意外に低収入だと言う事もあって、今よく言われているワーキングプアや格差を生みだす原因の一つだと考えられています。

派遣会社に依頼する企業は、その多くが即戦力となる人材の派遣を希望している訳ですが、現実的に考えても即戦力となり得る高度な技術や技能を身に付けた人材であれば、当然ながら派遣会社に登録している人は少なく、すでに正社員として第一線でバリバリ活躍している人が多いはず。
本来であれば、派遣会社というのは同時通訳、財務処理、ソフトウェア開発などといったある特殊な技能を持っている人材を貸し出す所であり、「社内では出来ない特別な仕事を一時的に外部の人に助けてもらう」と言う意味で言えば、派遣社員というのは正社員よりも高給取りで、なおかつ、スペシャリストとして一目おかれた存在だったのです。
しかし、今や派遣労働者の多くは、単にアルバイト的感覚で働いているケースが目立ち、スキルの面でも即戦力を望む派遣先企業との間に大きなギャップが生じている事は確かです。

何故、このような状況になったのか‥‥。それは一般企業が特殊技能者を必要とするよりも、人件費を節約するために派遣会社を利用する傾向が強まってきたからで、2008年には技能未習得者はもちろん、全くの就労未経験者でさえも受け入れるようになり、即戦力の確保と言うよりも、むしろ「定型的な単純作業のための人材」を確保する目的で派遣会社を利用する企業が増えてきました。
時の流れとはいえ、社会が求めるものが変われば、それに携わる側にも大きな変化や考え方の違いが出て来るのも仕方のない事。今後も就職氷河期が長引くようだと、今まで日本人が持っていた中流意識にもどんどん格差が広がって来る様になるのではないでしょうか。